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KEITALK 天気を楽しめば人生が楽しくなる!

修行中の気象予報士です。YouTubeでの動画投稿に力を入れています。

【天気の疑問1】なぜ空は青いのか?

 

天気の疑問シリーズ

第1回は「なぜ空は青いのか?」

 

当たり前なのですが、

その理由を考えたことがない人は多いかもしれません。

 

 

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空の青さと海の青さは全く違う理由らしい。(撮影:浄土ヶ浜

 

物理を習った人は分かると思うのですが、

少し考えてみましょう!

 

 

【目次】

 

 

 

 

可視光は「散乱」する


まず前提として、

私たちが普段見ている光というのは「可視光」

と呼ばれる波長域です。

 

この可視光の中には、波長が長い順に

赤・橙・黄・緑・青・藍・紫

の7色が含まれています

 

虹をイメージするとわかりやすいと思います!

 

 

実はこの可視光というのは

空気中の分子と衝突すると

周囲に広がるという性質を持っています。

 

これが散乱という現象です。

 

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可視光が空気中で散乱されて目に届く。


このように私たちは「空の色」を

見ることができるのですね。

 

じゃあなんで青色だけ見えんねん!

 

まあそう焦らずに・・・。

 

 

 

レイリー散乱という概念

 

 

先ほど「散乱」の話をしたのですが、

その中でもレイリー散乱という概念が

大きく影響しているのです。

 

このレイリー散乱というのは

波長が散乱を起こす粒子よりも非常に大きいとき

に発生します。

 

 

実際に比べてみます。

 

可視光の波長は10の-6乗メートル

分子の大きさは10の-10乗メートル

 

よくわかんね・・・

 

何が言いたいかというと、

可視光の波長は分子の約1000倍もある

ということなんです。

 

レイリー散乱は10倍程度で発生するらしいので

十分条件を満たしていますね。

 

 

 

空が青い理由

 

やっと本題にたどり着きました。

 

空が青いのは紛れもなく

レイリー散乱の性質によるものです。

 

それは「波長が短いほど散乱強度が強い」

という性質です。

 

 

思い出してください!

 

可視光は波長が長いものから

赤・橙・黄・緑・青・藍・紫

でしたね。

 

その中でも、青よりも短い波長は

地上に届く前に散乱されます。

 

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青よりも短い波長は上空で散乱される。

 

そして、残った赤から青の中で

波長が短い青色が強く散乱されて

私たちの目に届くのです。

 

これが空が青い理由です。

 

 

 

まとめ

 

つまり、この「レイリー散乱」という概念と

色の波長の違いが青空として

私たちの目に映っていたんですね!

 

納得できましたでしょうか?

 

ちなみに青色の波長は赤色よりも

約6倍も強く散乱されているんです!

 

もっと詳しく知りたい人は

レイリー散乱の物理式なんかも

調べてみるといいと思います。

 

気象予報士試験を受ける人は

この性質を頭に入れておきましょう!

(学科一般の範囲です)