松岡修造さんの『弱さをさらけ出す勇気』を読んだ。
みなさんは「尊敬している人は誰ですか?」と聞かれて、
だれかパッと思い浮かぶ人はいるでしょうか。
僕はなかなか1人に絞るというのは難しいですが、
元テニスプレイヤーの松岡修造さんは尊敬する人の1人です。
そんな松岡さんが書かれた
『弱さをさらけ出す勇気』を読んでみました。
<目次>
弱さを全否定せず、武器にせよ。
“心の弱さはダメなこと
とにかく何にも動じない強いメンタルを作ろう!”
これまで僕はこういう考え方で生きてきました。
ただ、松岡さんはこの本の冒頭でこのようなことを書かれています。
思うような結果が出せない、プレッシャーに押しつぶされやすい・・・はっきり言いましょう。僕のなかでは、「弱さOK!」なんです。
なぜなら、そう思うのはひとつの“気づき”だからです。
弱さを消すのではなく
強さへと転換する武器にする!
この考え方は自分の中になかったです。
また、こんなことも書かれています。
うしろめたさを感じるのは、「本気にならなかった自分がよくない」と思っているからですよね。
モヤモヤするのは、何が正しいことかわかっているからなんです。だから、モヤモヤしたら喜んでしまおう。そして、自分を変えていくチャンスにしていこう!
全力で取り組んでベストが出せなかったのと、
初めから中途半端にトライするのは
同じ結果でも得るものが全然違います。
なんなら、中途半端にトライしたら
自分の弱さにすら気づけないのかもしれません。
自分の弱さを『受け入れる』ということから、
成長が始まるのかもしれませんね。
出会いは心で引き寄せる。
松岡さんといえば、とにかく熱くてポジティブで、
心の弱さとは無縁の人という印象です。
ただ、本来の松岡さんは心の弱さや不安が
表に出てしまう人だったそうです。
そんな松岡さんを変えたのが、
ボブというテニス界の名コーチでした。
松岡さんは出会いについて、
哲学者・教育者の森信三先生という方の影響を
受けてきたそうで、このように紹介しています。
人間は一生のうち逢うべき人に必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。しかし、うちに求める心なくば、眼前にその人ありとも、縁は生じず。
- 『一日一語』致知出版社
なるほど、求める心か。
なかなか難しいことですよね(笑)
でもこの考え方を持っているだけで、
何かしら自分のプラスになりますね。
僕も森先生の著書を読んで
もっと深い部分まで理解しようと思います。
成功者はマイナス思考を“選択しない”人。
ここまで読んでいただけば、
何もせずに心が強い人はいない
ということが分かると思います。
ではなぜ、一流のアスリートの方たちは
ここ一番の大舞台で実力を発揮できるのでしょうか。
それは、マイナス思考を“選択しない”ための
トレーニングをしているからです。
これが本来の意味のメンタルトレーニングです。
取り除くのではなく、選択しない。
この意識でメンタルトレーニングをすれば、
これまでとは違った気持ちで勝負に挑めそうです。
実は高校時代もメンタルトレーニングをしていたのですが、
なかなかこういう考え方で取り組むことは出来なかったです。
先生はその意図で指導してくれていたのかもしれませんが、
自分の理解が追い付いてなかったんですね。
さて、松岡さんはこの本の最後にこんなことを書いています。
「本当の意味での人の評価は、目に見える成功だけで測れない。いちばん大事なことは、その人がどう生きているかなんだ」と、心から思えるようになりました。
他人の評価を気にするな! というのはよく聞く言葉で
頭の中でも理解しているんですが、
なかなか100%で実行するのは難しいです。
だからこそ、自分の中で常に100%に近づけていく意識を
持っていないといけないのかなと。
この本を読んで、またひとつ自分の意志を確認出来ました。
もし興味を持って、もっと深く知りたいと思ったら、
ぜひ本屋さんでパラパラめくってみてください。
松岡さん自身の体験、アスリートとの対談を通じて
具体的なエピソードを書いてくれているので、
簡単に読み進められます。